痙攣性発声障害と過緊張性発声障害の違い(痙攣性発声障害について)

目次

痙攣性発声障害とは?

痙攣性発声障害?痙攣…一体どんな症状のことを言うのでしょう?
ネットで調べると色々な言葉が出てきますが、
『痙攣性発声障害』っと…
・声帯を動かす一部の筋肉が痙攣するようですね。
・英語では『Spasmodic Dysphonia』略して『SD』ですね。
・20〜40歳代の女性に多く、10万人に約1人の割合です。
・特徴は「つまり」、「とぎれ」、「ふるえ」があります。
・タイプによって多少異なるようですね
・「根本的治療は無い!?」と出てきます。


診断基準は『日本音声言語医学会』に公開されていますね。
1)【必須条件】をすべて満たし【主要症状】を3つ以上認め【鑑別疾患】を否定できること
2)【必須条件】をすべて満たし【主要症状】を3つ以上認め【参考となる所見】、【発声時の所見】のいずれかを3つ以上認める
この1)、2)のどちらかが該当すれば『確実例』になります。

【鑑別疾患】とは?
「本態性音声振戦症」「過緊張性発声障害」「心因性発声障害」「吃音」が似ている病態に当てはまり、痙攣性発声障害と合併することもあります。お医者さんたちは上記の病態を間違えて痙攣性発声障害と診断しないために診断基準に従って病名をつけます。

  • 本態性音声振戦症
     4〜5Hzの周期的な声のふるえがみられ、特に母音の持続発声で顕著である。
     裏声でも声のふるえが改善しない
  • 過緊張性発声障害
     発症後の経過において症状が一時的、寛解することがある
     音声治療によって改善することが多い
  • 心因性発声障害
     精神的誘因が関与する
     急激に発症する
     緊張に伴い音声症状が極端に変動する
     音声治療、心理療法または薬物療法により正常発声の誘導が可能である
  • 吃音
     語頭を中心に発語困難がみられる
     音声及び構音動作の途絶、音の引き伸ばし、繰り返しがある

「根本的治療は無い!?」と出てきます。

内転型と外転型の比較

痙攣性発声障害の中には内転型と外転型の2種類にタイプが分かれます。
上記の2種類が混在し混合型もあるようです。
内転型の方が95%と圧倒的に多いようですね!
特徴は内転型が
1)「不随意的、断続的な発声時の声のつまり」
2)「不随意的、断続的な声の途切れ」
3)「非周期的な声のふるえ」
4)努力性発声(喉つめ発声など)
…わかりにくいですね〜
1)、2)、3)は「意図しない所々のつまり、とぎれ、ふるえる声」
4)は「首を絞められたような声」
1)4)の違いはどちらもつまった声ですが、
つまるところもあるかつまり続けるかの違いですかね〜

治療方法の比較

  • 音声治療(声のリハビリ)
  • ボトックスの声帯注射
  • 甲状軟骨形成術Ⅱ型
  • 甲状披裂筋の切除術

【痙攣性発声障害】
2018年よりボトックス®の声帯注射が保険適応となりました。
以前は3〜4万円の自費での支払いでしたが、
保険診療になることによって大体の方は3割負担の1万円くらいになりました。
※場所によっては自費で行っている場所もあるので確認して下さい。
医師の方は講習と実技セミナーを修了することで打てるようです。

内転型は、初回は「片側に2.5単位」一般的には甲状披裂筋(内筋)へ打つ
2回目以降、最大量が片側2.5単位、両側5.0単位
(これ以上はダメだけど、これ以下はOK)

外転型は、初回は「片側に5.0単位」一般的には後輪状披裂筋へ打つ
2回目以降は、最大量が5.0単位で片側のみ投与可能

※どちらも投与間隔は12週以上あける
※外転型は両側投与は呼吸困難になるため禁忌
投与方法などこちらで確認いただけます(GSKサイト)


ボツリヌス療法とは

ボツリヌス=ボトックス
「ステイプラー」のことを「ホッチキス」というようなものです。
経過の流れは
投与後2〜3日で効果が現れ、1〜2週間で安定します。効果持続期間は3〜4ヶ月。

→感覚的には飲み物などむせやすくなり、声は息が交じるカスカスの声になる。その後、上記の症状が落ち着いてくると安定期になる。ただ、個人差があり、1ヶ月経ってようやく安定してくる方もいる。効果持続期間は声帯注射をしてから長くても4ヶ月で良くも悪くも身体から排出され声帯注射前の状態に戻ります。海外の論文では音声治療(声のリハビリ)を安定してから行うと何もしないで効果持続期間が終わってしまう人よりも、効果が切れても元の状態よりも良い状態(症状軽減)になっている報告を見る。完治が難しくとも少しでも改善を望む方は音声治療も試してみても良いかもしれませんね。

※図で説明

だん
だん

痙攣性発声障害について少しわかった気がするよ〜

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